当院のオンラインHDF 人工透析
■腎不全を感じないオンラインHDF(血液透析+ろ過)■
当院は、1999年(平成11年)9月以降オンラインHDF(血液透析ろ過)を提供しています。 東日本初のオンラインHDF施設です。
平成24年4月から、保険適応になりましたが、平成11年9月から平成24年3月までは、無料提供をしていました(年間2000〜3000万円負担といわれています)。
保険適応からオンラインHDFを行う医療施設も増えてきましたが、
細かいノウハウ(透析液製造装置、配管、コンソール、エンドトキシンカット、透析液組成など)に違いがあります。
具体的には (日本透析医学会のガイドラインとは異なりますが)
@貧血のない状態(ヘマトクリット40〜50と非透析者と同じ)→息切れ・倦怠感の改善→心筋梗塞・心不全の改善やシャントトラブルの改善→健康寿命の改善
A塩分含有の少ない透析液(ナトリウム濃度137meq/L)→口渇や高血圧を改善→脳出血・脳梗塞・心筋梗塞の予防効果を期待→塩分制限が不要→家族と同じ食事が可能→主婦大喜び
Bβ2ミクログロブリンの低下(25以下)→手根管症候群や関節障害の改善・悪化予防→
QOLの改善→家族の負担軽減→介護離職不要→経済的改善
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@は、赤血球刺激因子(エリスロポエチン刺激)の薬剤を投与する必要がありますが、
保険用語でいう『包括』に含まれるため、使うほどに赤字になります(泣)。
Aは通常透析の場合、142〜144meq/L(副作用:口渇・高血圧)でない透析中血圧が下がる危険があり、施設すべてがオンラインHDFの必要があります。
Bは透析液の高度な『清浄化』に加えて、オンラインHDFを行われた場合に改善します。
よく、患者さんから、「オンラインHDF」を、あちこちでやっているが、どこが違うの?と聞かれます。
・平成24年3月以前にオンラインHDFを行っていた施設は、無料提供していた施設です。
・平成24年4月以降は、貧血のない透析を行っている
(エリスロポエチンを赤字で使用している)
これらで、理念の有無は、ある程度分かりますと話しています。
■貧血がない透析■
貧血の管理目標は、厚生労働省は透析前のヘマトクリット値(貧血の指標)(解説1)を30前後を目安に、増血剤(エリスロポエチン)を使用するように定めました。当院ではほぼ一般の方と同じで、貧血がない状態(ヘマトクリット値で40以上-50未満)にしております。透析学会のガイドラインからは逸脱していますが、心臓などの虚血や動脈硬化が予防されると考えています。貧血がないということは、体全体に十分な酸素がいきわたり、老化を防ぎ、疲れにくい状態になります。
顔色も血色がよく良好で、透析を受けているようには見えません。
また、当院では、エルカルニチンを平成10年頃から(長野日赤在職中)、
先駆的に投与をしていおり、その後保険に収載され、透析患者さんの貧血改善、足の痙攣(こむら返り)の防止などの広い効果を見ています。
「健康で、自立しながら、長生きできる透析」が当院の治療理念です。
■食事/リン・水分摂取制限のない透析■
当院では、透析時に塩分を調節しているので、水を飲みたいと感じません。
口渇のないのが当院の特徴です。
その結果、体重の増加が少なくなるので、原則飲水制限はしていません。(一般的には一日600mlの制限をする施設が多いです)
リン(P)に関しても、レグパラやホスレノールという優れた薬のおかげで、原則的には制限していません。
つまり、透析をしていない方や家族と同じ食事を推奨しています。
また、肉(羊や豚)やココア(銅や亜鉛含有)、牛乳を勧めています。
当院に転院時に、下記の説明書で説明しています。
■肝炎患者ゼロの透析室(NEW!)2018年〜■
以前からB型肝炎患者はゼロでした(潜在的感染者も含め)。C型肝炎も、ダグルインザ/スンベプラやマヴィレットが保険収載され、完治したことで、
2018年以降はゼロになっています。
患者さん、スタッフにとって、感染症の無いクリーンな環境になりました。
■透析お役立ちリンク■
◆CKD・透析 計算ツール
◆透析百科
■透析開始の動画(約2分30秒)■
動画の上にカーソルを置くと表示される三角のボタンで再生してください。
■透析回収の動画(約3分15秒)■
動画の上にカーソルを置くと表示される三角のボタンで再生してください。
※解説1
ヘマトクリット値とは、血液中に占める血球の容積の割合を示す数値。ほぼ赤血球の容積比と等しい。 貧血検査などに利用。腎性貧血の管理についてに戻る