molbio08さんのツイートのまとめ(2023.7.21) 2010年ジェネリック医薬品の参入が困難なバイオ医薬品へのシフト。 抗体医薬と核酸医薬の二つが代表的なカテゴリー。 1.抗体医薬はマウスを免疫して作成。   そのマウス抗体をヒトに接種するとマウスの抗体に対する   ヒト抗体ができてしまうため、抗体の抗原結合部位以外の部分を   ヒト抗体と置き換える(現在の創薬研究の中心)。 2.核酸医薬は、開発が遅れた。核酸が強いマイナス電荷を帯びているため、   脂質から構成される細胞膜を透過することができないことや、   生体内にはRNA分解酵素やDNA分解酵素が多く存在しているためである。   解決方法は、DNAやRNAを脂質ナノ粒子(LNP)に包んで投与する方法で、   血中では、核酸は分解されなで、細胞内へ届けることが可能になった。   筋肉注射した場合、LNPは全身をかけめぐり、血管内皮細胞とか心筋細胞とか、   種々のリンパ球とか肝臓、卵巣などの全身の細胞と融合し、   すみやかにmRNAを高効率で導入ができます。   欠点は、血管内皮細胞や狙った臓器以外にもmRNAが入ってしまう事。   核酸が細胞内に入ると、TLR(Toll 様受容体:異物蛋白検出センサー)が、   自然免疫が発動し、細胞自体が排除されるので、それから逃れるために、   mRNAの場合は、シュードウリジン化することであった。この方法では、   LNP-mRNAワクチンは全身に拡散し、遺伝子は効率よく細胞に入り、   遺伝子細胞が排除されない。   *mRNAでは細胞質でタンパク質が合成されますが、   DNA型ワクチンでは導入されたDNAが核に移行しないと、   mRNA合成はおきず抗原タンパク質はできない違いがある。*   しかし、DNAワクチンでは、DNAを細胞に導入する別の方法が必要で、   電気穿孔法(パルス状高電圧で一瞬、細胞壁に穴をあけ)などは、 局所的細胞にしか導入できない。(mRNAワクチンとの違い@)   また、DNAはメチル化できないため、遺伝子導入細胞のTLR9受容体が反応し、   遺伝子導入細胞が排除されてしまう。(mRNAワクチンとの違いA)   LNP-mRNAワクチンに混入しているとDNAとDNAワクチンをいくつかの項目で比較する。   1.遺伝子導入効率 これはLNP方式の方が格段に高い。     mRNAに混入しているDNAは高い効率で細胞内に届けられます。   2.遺伝子が届けられる細胞について LNP方式では全身に届けることが可能。     DNAワクチンでは接種された局部に限定。     mRNAワクチンに混入しているDNAは全身に届けられ細胞に効率よく導入。   3.遺伝子導入細胞が免疫システムによって排除されるかどうか。     LNP方式では免疫システムによって排除されず、     mRNAによるタンパク質の合成は長期間続く。     mRNAワクチンでは制御性T細胞が活性化され、     混入しているDNAがあったとしても、その細胞は排除されないと考える。   以上から、DNAワクチンのDNAと、LNP(脂質ナノ粒子)に包まれたDNAとでは、 次元の違う。   接種部位のごく限られた細胞集団にだけDNAが導入されるDNAワクチンと、   全身性で効率よく細胞にRNAと一緒にDNAが届けられるLNPとでは大きな違いがある。   mRNA型ワクチンも最初は実用化が難しかったのですが、   シュードウリジン化することで、mRNA導入細胞は排除されることなく、   抗原タンパク質が生産され、免疫誘導を起こすことになりました。   この方式が他のしくみでの免疫抑制も招くことは以前紹介済みです。   LNPで細胞に遺伝子をを導入する技術は興味深い技術ではあるが、   接種後の体内動態を制御できないと実用化は難しい。   本来は核酸医薬として薬事承認の審査すべきものを、   基準が甘い従来型のワクチンとして審査して承認したため、   起きるべきして起きた薬害である。   確立していない技術を人体に使用した代償は大きく、   続けるほどその代償は大きいため、あらゆる追加接種はストップすべき。