55回長野県透析研究会学術集会の報告

去る9月30日(日)、小雨の降る生憎の天気となってしまいましたが、今年は厚生連篠ノ井総合病院様のお世話で、長野市若里の市民文化ホールに県内透析関連施設が集まり研究会が開かれました。毎年県内各地で開かれるこの会も55回を数え、今回は42の演題発表が有りました。当院もCEの中澤君が『逆濾過による膜の再生とクリアランスの変化』、同じく吉川君が『クレアチニンクリアランスによる貧血評価』と題して発表しています。
中澤君は多少緊張気味でしたが、JMSコンソールの特性を活かした逆濾過により、膜に付着した蛋白成分を除去することで、膜の再生が可能である事を示しました。また吉川君は、貧血治療に欠かせないエリスロポエチン製剤の制限(診療報酬改定)を受けて、当院の透析が生体腎のクレアチニンクリアランスに比べるとどのくらいのものなのかを知ると共に、透析の効率を表すひとつの指標となり得ることを示しました。どちらも当院ならではの発表ではなかったかと思います。
      
臨床研究というものは、患者さんにフィードバックされて初めて意味のあるものになると考えます。貴重なデータやご協力をいただいた多くの患者さん達に感謝しながら、日々質の高い透析・治療を提供していくこと、またそのための努力を怠らないことが大切なんだ、そんなことを感じながら帰路に着きました(町田)。

付記)当院開設当初からの足跡(演題名、演者のみ=県透析研究会関係分)
第48回大会 『クリットラインモニタを用いたOnline-HDFとHDの比較』 中澤 佐奈恵
      『吸着型血液浄化器リクセルの使用経験』 町田 和布
第50回大会 『ジョイントレスカプラの有用性について』 吉川 千鶴
第51回大会 『旭メディカル社製APSとニプロ社製PESの性能評価』 吉川 千鶴
      『シャントトラブルを起こしやすい人の原因調査』 引場 和美
第52回大会 『DW設定における電気インピーダンス法の有用性について』 金子 智香江
『穿刺ミス減少への取り組み』 宮崎 優子
第53回大会 『6年間のβ2‐MGの推移』 吉川 千鶴
第54回大会 『当院における透析液ET濃度と生菌数の現状と比較』 中澤 裕嗣
       『穿刺ミス減少への取り組み‐第二報‐』 宮崎 優子