■膠原病・リウマチや神経疾患などの難病治療

一般的には、薬物療法が主体とまります。
1.慢性関節リウマチに関しては、ステロイド(プレドニン等)に加え、MTX(リウマトレックス等)を併用して、治療することが基本ですが、それでも効果のない場合は、従来の免疫抑制剤のブレディニンのパルス療法や、金製剤(シオゾールなど)を組み合わせます。しかし、これでも効果のない場合があったり、薬剤に反応がなくなる(効かない)ことがあります。これは最新薬でもあるタクロリムス(プログラフ)でも同様です。このようなときに、LCAP(リンパ球除去療法)が、予想以上に効果が出ることがあります。これは透析のように、特殊な膜を使い、体内のリウマチ因子を産生するリンパ球を除去することで、症状を改善する方法です。同様にリウマチ因子を特異的に除去する免疫吸着という方法もあり、基本的な手技・方法は同じです。当院では、慢性関節リウマチの患者さんで、下肢潰瘍が一年以上治らず、皮膚移植もうまくいかなかったケースで、LCAPでほぼ治癒しています。
2.その他の一般的な膠原病は、上の免疫吸着やDFPP(二重ろ過法)、重症では血漿交換を行って治療します。免疫吸着に関しては、抗体を吸着する特殊膜が数種類あるため(PH膜、TR膜など)
症状によって選択されます。血漿交換は非常に効果がありますが、血液製剤を大量に使用するため、輸血に準じる扱いで、常にウイルス感染の危険を含みます。
3.CIDP(慢性炎症性脱髄性多発根神経炎)などにも、免疫吸着は効果が高く、劇的に改善するケースがあります。当院でも動眼神経麻痺を主体としたTolosa Hunt症候群の患者で、ステロイド治療が効果がないため免疫吸着(TR350膜)を行いましたが、2回目には症状がほぼ消失しました。